現金は時間を買う
私は49年間生きてきて、
誰からも教わりませんでした。
お金で時間を買うという考え方を。
学校でも教わりません。
会社でも教わりません。
FPも教えてくれません。
教わるのは、
お金を増やす方法です。
節約。
貯金。
投資。
資産形成。
もちろん大切です。
でも私が脳出血になって初めて理解したのは、
お金の本当の役割でした。
お金は時間を買える。
回復する時間。
考える時間。
休む時間。
迷う時間。
そして、
人生を立て直す時間。
私は退院しても半年間ほとんど使い物になりませんでした。
半年後に復職しても、
以前の自分には戻っていませんでした。
身体は動く。
でも頭が動かない。
疲れる。
覚えられない。
集中できない。
正直に言うと、
かなりポンコツでした。
もしあの時、
現金がなかったら。
私は回復ではなく、
お金の心配をしていたと思います。
早く働かなきゃ。
収入を戻さなきゃ。
家計を何とかしなきゃ。
そんなことばかり考えていたと思います。
でも現金があると違います。
もう少し休もう。
もう少し様子を見よう。
焦らず考えよう。
そういう選択肢が持てます。
私はこれを
「時間を買う」
と呼んでいます。
投資の本には、
お金がお金を生むと書いてあります。
その通りです。
でも命金が生むのは、
時間です。
そして時間が生むのは、
冷静な判断です。
冷静な判断が生むのは、
人生の立て直しです。
だから私は、
命金を投資のライバルだと思っていません。
役割が違うからです。
投資は未来のお金を増やす。
命金は未来を失わないために持つ。
私はどちらも大切だと思っています。
ただ順番があります。
まず命金。
次に生活。
そして投資。
この順番を守るだけで、
人生はかなり安定します。
病気。
事故。
失業。
介護。
人生には予想外がたくさんあります。
でも現金があれば、
少し立ち止まれます。
少し考えられます。
少し呼吸ができます。
私は脳出血になって、
初めてこの概念を理解しました。
命金は生活防衛費ではありません。
人生で一番苦しい時に、
時間を買うためのお金です。
だから今でも、
現金を見ると安心します。
増えているからではありません。
自分と家族を守る時間が増えているからです。
次回は、
なぜお金がないと人は冷静な判断ができなくなるのか。
「お金がないと判断力が落ちる」
について書いていきます。


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