介護前夜の教科書|第3話 親の希望と、現実は別で考える

親が年を取り始めると、いずれ出てくる言葉がある。

  • 最後まで家にいたい
  • 施設には入りたくない
  • 他人に世話されたくない
  • 子どもが近くにいてくれればいい

その気持ちは自然だ。
できることなら、かなえてあげたいと思う。

でも介護で苦しくなる人ほど、
この“かなえてあげたい気持ち”だけで動いてしまう。

ここで大事なのは、冷たくなることではない。

親の希望と、現実は別で考えること。

希望は尊重したい。
ただし、その希望を支える条件が必要だ。

たとえば在宅を望むなら、

  • 安全に暮らせる家か
  • 通院できるか
  • 食事や服薬管理は可能か
  • 夜間対応は誰がするのか
  • 家族は継続できるのか
  • お金は持つのか

ここが抜けると、願いだけで進み、
現場は家族の根性で埋めることになる。

よくあるのは、

親は家にいたい。
子どもは仕事がある。
兄弟は遠方。
でも誰も本音を言わない。

結果、一人に負担集中。
怒りと罪悪感だけが残る。

親の希望を聞くことは大切だ。
でも、全部かなえる義務とは別だ。

希望を聞いた上で、

  • できる範囲で在宅にする
  • 外部サービスを入れる
  • 一定ラインで施設へ移る
  • 同居するなら条件を決める

こうした現実設計が必要になる。

本当に親思いな人ほど、
無理をして全部かなえようとする。

でもそれで家族が壊れれば、
親も苦しい。

だから覚えておいていい。

希望は尊重する。
でも現実は別で判断する。

この二つを分けられる人ほど、
介護で潰れにくい。

次回、兄弟が動かなくても感情で壊れない方法。

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