介護とバリアフリーの逆説|第4話 優しさが、自立を奪う

優しい人ほど、つい手を出してしまう。

  • 危ないから持つよ
  • 転ぶといけないから座ってて
  • 時間かかるから私がやる
  • 大変そうだから代わりにやる

その気持ちは本物だ。
相手を思っている。責める話ではない。

ただ、ここにも逆説がある。

優しさが、自立を奪うことがある。

人は、やらなくなったことからできなくなる。

自分で立たない。
歩かない。
選ばない。
考えない。
持たない。

その積み重ねで、

  • 筋力が落ちる
  • 判断が鈍る
  • 自信がなくなる
  • 「自分では無理」と思い込む

こうして能力は静かに縮んでいく。

これは高齢者だけの話ではない。

家族関係でも、子育てでも、夫婦でも起こる。
やってあげすぎるほど、相手は弱りやすい。

もちろん、本当に必要な介助はある。

  • 転倒リスクが高い
  • 痛みが強い
  • 麻痺がある
  • 認知機能が落ちている
  • その日は体調が悪い

こういう時に支えることは大切だ。

問題は、できることまで奪ってしまう支援。

本当に優しい人は、全部やる人ではない。

できる部分は任せ、できない部分だけ支える人だ。

少し時間がかかっても、自分でやる。
少し危なっかしくても、見守る。
必要な時だけ手を貸す。

それが能力を残す支援になる。

介護の本質は、世話ではない。
その人の力を最後まで残すこと。

次回、ボート生活はなぜ機能を使うのか。

コメント