思考の凝り|第5話 「頑張っている人ほど偉い」と思っていた話

私は昔、
「頑張ってる人=偉い」
と思っていた。

忙しい。
休まない。
常に動いてる。

そういう人を見ると、
すごいなって思っていた。

逆に、
のんびりしてる人を見ると、

「大丈夫なのかな?」

って、
どこかで思っていた気がする。

でも今は、
考え方がかなり変わった。

脳出血をして、
身体も脳も止まった時。

私は初めて、
“動き続ける怖さ”
を知った。

そして今なら分かる。

脳出血になる前の私は、
無自覚で
「止まれないループ」
に入っていた。

働く。
動く。
考える。
また動く。

しかも当時は、
それを“頑張ってる自分”
だと思っていた。

でも今振り返ると、
あれはかなり危なかったと思う。

実は私は、
父をくも膜下出血で亡くしている。

だから、
脳系の病気の怖さは、
頭の片隅にはずっとあった。

しかも自分自身も、
血圧は少し高めだった。

本来なら、
もっと早く立ち止まっても良かったと思う。

でも人間って、
知ってるだけでは動かない。

「まだ大丈夫」
「今は忙しい」
「落ち着いたら」

そうやって、
進み続けてしまう。

しかも怖いのは、
止まれない状態に入っている時ほど、

“止まる方が不安”

になること。

今休むのが怖い。
今止まるのが怖い。
今手放すのが怖い。

だから、
さらに動き続けてしまう。

でも私は、
脳出血で強制的に止まった。

しかも、
私はかなり運が良かった側の人間だと思う。

生存率は3〜4%と言われた。

つまり、
ほとんどの人は戻ってこられない。

後遺症が重く残る人。
命を落とす人。
人生が大きく変わる人。

本当にたくさんいる。

私はたまたま、
こうしてまた文章を書けている。

でもそれは、
当たり前じゃなかった。

だから最近、
以前みたいに

「無理してでも頑張る」

を美徳だと思えなくなった。

人生って、
アクセルだけじゃ走れない。

ブレーキも必要。

余白も必要。

「今日は休む」
「今はやらない」
「無理しない」

これって怠けじゃなく、
長く生きる技術なんだと思う。

命金も。
固定費設計も。
低コスト生活も。

全部、
“安心して止まるため”
に繋がっていた。

最近の私は、
「頑張り続ける人ほど偉い」
とは思わなくなった。

むしろ、
ちゃんと止まれる人の方が強い。

無自覚のまま走り続ける怖さを、
私は自分の身体で知ったから。

家計設計屋より

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