脳出血

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1-11 母と姉が来ていたことを後から知る

母と姉が、オーストラリアに来ていた。それを、私は後から知った。会っていたはずなのに、その瞬間の記憶がない。声をかけられたのか、触れられたのか、分からない。ただ、来ていたという事実だけがある。その頃、ICUの状況を説明した一枚の紙が、母と姉の...
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1-8 CTで出血が確認された

(後から聞いた話・最終版)ここから先は、私の記憶じゃない。後から、聞いた話だ。病院に着いて、CTを撮った。そこで、出血が確認された。さらに、救急車の中で上の血圧が250あったと、後になって知った。その時の説明を私は覚えていない。理解できる状...
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1-7 病院に着くまで

救急車の中に、カイトが同乗していた。それは、はっきり覚えている。とにかく寒かった。毛布があったのか、エアコンだったのか、分からない。外の寒さじゃない。体の内側から冷えていく感じ。カイトが手を握ってくれていたような気もする。話したような、話し...
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1-6 記憶が途切れる

救急車の中までは、覚えている。揺れも、寒さも、音も。そこまでは、確かにここにいた。でも、そこから先がない。気づいたら、時間が飛んでいた。どこに着いたのか、誰と話したのか、何をされたのか。順番が、存在しない。映像も、会話も、つながらない。「意...
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1-5救急車の揺れと寒さ

救急車が走り出した。ストレッチャーの上で、体が大きく揺れていた。固定されているはずなのに、安定しない。揺れが、異様に大きく感じた。そして、とにかく寒かった。外の寒さじゃない。風でもない。体の内側から、熱が抜けていく感じ。声は、聞こえていた。...
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1-4 暑さで倒れたと思われた

床に倒れて、嘔吐している私を見て、芋は暑さで倒れたと思った。室内は暑く、人も多く、突然の嘔吐。その判断は、自然だった。だから、外に出そうとした。風に当てればいい。水を飲めばいい。その時点では、誰も「脳」を疑っていない。私自身も、説明できる言...
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1-3 Run直前のアナウンス

それでも、意識はあった。周りの音も、人の声も、はっきり聞こえていた。その中で、アナウンスが流れた。「Next, Kaito Sippel!!!!!!!!」その声だけが、異様なほどクリアだった。意味も、状況も、理解できていた。今、息子の番だ。...
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1-2 意識だけが残っていた

時間の感覚が、なくなっていた。どれくらい経ったのか、分からない。長かったのか、一瞬だったのかも判断できない。体は、もう反応しなかった。動かそうとも、声を出そうとも、思わなかった。できない、というより発想がなかった。それでも、意識だけは残って...
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1-1 戻れない場所に足を踏み入れた日

子どもたちの試合を見ていた。室内のスケートパーク。いつもと同じ場所で、いつもと同じ時間。カイトのRunを見るために、アルビーと一緒に、少しだけ椅子を動かした。「こっちのほうが見やすいね」それくらいの気持ちだった。椅子を置いて、座った。その瞬...