複利シリーズ|第3話

再投資という覚悟 ― 利益を使わないという選択

複利は魔法ではない。

条件がある。

利益を使わないこと。

これだけ。


例えば100万円を年利5%で運用するとする。

1年後は105万円。

ここで5万円を使えば、

元本はまた100万円に戻る。

翌年も増えるのは5万円。

これは複利ではない。

単利。


複利になるのは、

利益も残したとき。

100万円

105万円

110.25万円

115.76万円

増えた金額に、さらに利息がつく。

これが複利。


つまり複利は、

利回りの話ではない。

再投資の話。


でもここで問題が起きる。

人は利益を見ると使いたくなる。

配当が入る。
利益が出る。
資産が増える。

すると脳はこう言う。

「ちょっと使ってもいいよね」


ここで複利は止まる。

だから多くの投資家は、

複利を知っていても
複利を持てない。


投資の世界ではよく言われる。

金の卵を産む鶏を殺すな。

配当や利益は卵。

本当に価値があるのは、

卵を産み続ける鶏。


だから複利を回す人は、

利益を見ても動かない。

使わない。
売らない。
触らない。

増えたものを、また働かせる。


ETFの投資でも同じ。

配当を再投資する。
分配金を使わない。
自動積立を続ける。

これで複利が回り始める。


逆に、

配当を使う
利益確定を繰り返す
積立を止める

これで複利は壊れる。


複利は、

「どれだけ儲けるか」

ではない。

どれだけ触らずにいられるか。


投資の才能は、

売買の上手さではない。

待つ力。

時間を味方にできる人だけが、

複利を持てる。


次回は、

複利の逆。

逆複利の世界。

借金、浪費、生活水準。

なぜお金は“減る方向”にも指数で動くのか。

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