うちには15歳の老犬がいる。
若い頃のようにはいかない。
足取りもゆっくりになった。
動きにも慎重さが増えた。
それでも毎日、ボートの乗り降りという課題がある。
降りる時は家族みんな手伝える。
でも乗る時は違う。
なぜか芋にしか任せない。
他の家族がやろうとすると、怒る。噛もうとする。
最初は頑固に見えるかもしれない。
でも違う。
あれは、誰なら安全に任せられるか分かっている反応 だ。
高齢になると、
- 足場の怖さ
- 体勢を預ける不安
- 痛みへの警戒
- 失敗への恐れ
こういう感覚が強くなる。
その中で、毎回うまく乗せてくれる人だけを選んでいる。
そしてもう一つ大事なのは、
まだ自分でやる部分が残っていること。
タイミングを見る。
足を出す。
踏ん張る。
体を預ける。
全部抱っこされて終わりではない。
これが大事だ。
介護では、全部やってあげることが愛だと思われやすい。
でも現実は違うことがある。
やらなくなった動作は、できなくなる。
使わなくなった力は、落ちていく。
だから本当に優しい介護は、
- できる部分は任せる
- 危険な部分だけ支える
- 時間がかかっても待つ
- 本人の自信を残す
この形になる。
犬でも人でも、本質は近い。
守ることと、奪うことは紙一重だ。
全部やるのが愛ではない。
できることを残すのも、立派な愛だ。
次回、本当のバリアフリーとは何か。


コメント