今でこそ、家族4人で50ftボート生活9年目。
でも始まりは、おしゃれでも自由でもない。
狂気だった。
このプロジェクトを始めたのは、オージー夫。
しかも既製品のボートを買ったわけではない。
手作り。しかも借金ゼロ。
はあ? である。
夫がボート作りを始めた時、私は幼い子供2人を連れて日本へ帰省していた。
そしてオーストラリアへ戻ったあとに知らされる。
「ボート作り始めたから。」
いや、はあ??
相談なし。事後報告。
子供はまだ小さい。
ボートに住む?
しかも手作り?
しかも借金しない?
無理無理無理。
これが当時の私の本音だった。
でも、この計画には一つだけ筋が通っていた。
絶対に借金はしない。
そこだけは一貫していた。
問題は、現実だった。
夫が働けば、資材は買える。
でも時間がなくなり、ボートは進まない。
働かなければ、時間はある。
でも資材が買えず、また止まる。
この無限ループである。
しかも子供はまだ小さい。
私がフルタイムで働いて支えるのも現実的ではなかった。
保育、送迎、生活、家事。
理想論では回らない時期だった。
だから我が家は、ずっとギリギリだった。
少し働いて資材を買う。
少し作ってまた止まる。
また働く。
また進める。
普通の家庭なら、途中で諦めても不思議ではない。
でもこの人は諦めなかった。
周りから見れば変人。
私から見ても変人。
それでも、ギリギリのところを何度も行き来しながら、最後はこじ開けた。
完成したボートは、オージー夫の夢そのものだった。
ここは正直、よくやったと思う。
普通の根性ではできない。
でも妻としての本音も言う。
ありがた迷惑である。
もっと穏やかな夢はなかったのか。
普通に中古艇買うとか、普通に家借りるとか。
そう思った回数は数え切れない。
それでも今、家族4人で9年住めている現実を見ると、人生は本当に分からない。
常識的な選択だけが正解とは限らない。
たまに狂気が、生活を変えることもある。
次回は、そんな生活を9年続けた家族4人の月生活費。
現実の数字を全部出す。





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