爆発に心を奪われながら、
私はもう一つの美しさにも惹かれていた。
⛸️ Chen Lu
彼女のスパイラル。
背中の伸び。
フリーレッグの高さ。
上体の静けさ。
止まっているようで、流れている。
力ではなく、線。
みどりが点なら、
チェン・ルーは一本の長い線だった。
そして、
⛸️ Michelle Kwan
クワンのスパイラルは完成されていた。
手の使い方。
首の角度。
音楽との呼吸。
高さを誇示しない。
回転で圧倒しない。
ただ、美しい。
私は基礎をやっていた。
コンパルソリー世代だ。
内か外か。
エッジが立っているか。
円が歪んでいないか。
だから分かる。
スパイラルは脚の柔軟性だけではない。
エッジが深くなければ、線は伸びない。
体幹が安定していなければ、上体は揺れる。
静かに見えて、極めて技術的。
みどりの爆発と、
チェン・ルーの線。
対極のようでいて、
どちらも本物だった。
私は両方に魅了された。
でも、最後に残るのはみどり。
それでも、
あのスパイラルの美しさは忘れない。
爆発だけでは語れない世界が、
氷の上にはあった。
この話はAya Story「氷の記憶」シリーズに続きます。


コメント