世界は進化した。人間は進化していない|第2話 人間の本能は変わっていない

前回、文明は爆速で進化したと書いた。

では、人間はどうか。

結論から言う。

ほとんど変わっていない。


私たちはいまだに、

・恐怖で動く
・比較で傷つく
・承認で安心する
・所属で安定する
・希少性に弱い
・群れから外れることを恐れる

100年前も同じ。
1000年前も同じ。

これは精神論ではない。
生存の設計だ。


人間の脳は「危険を探す装置」だ。

ポジティブよりネガティブに反応する。
安心より不安に敏感。
成功より失敗を記憶する。

なぜか。

生き延びるため。

サバンナで
「まあ大丈夫だろう」は死を意味した。

だから脳は常に
最悪ケースを想定する。

これがデフォルト。


問題はここからだ。

現代社会は、この本能を“利用”している。

SNSは承認欲求を刺激する。
ニュースは恐怖を拡大する。
広告は不足感を煽る。
投資市場は欲望と恐怖を揺らす。

つまり、

外側の進化は
人間の本能を拡張する方向に進んだ。

落ち着かせる方向ではない。


昔は比較対象は近所だった。

今は世界中の上位1%が
常にタイムラインに流れてくる。

昔は所属は村だった。

今はオンラインコミュニティが無限にある。
だから逆に、どこにも属していない感覚が生まれる。

昔は資源は物理的だった。

今は数字だ。
フォロワー数。
資産額。
PV数。

数字は本能を刺激する。

脳はそれを
「食料」「地位」「生存確率」と錯覚する。


だから、不安が消えない。

あなたが弱いからではない。

あなたの意志が弱いからでもない。

脳の設計が、
現代社会に最適化されていないだけ。


文明はアップデートされた。

だが人間のOSは旧式のまま。

そしてその旧式OSを
最大効率で刺激する構造が今の社会だ。

これを理解せずに
「もっと頑張れ」は無理がある。


では、どうするか。

本能を消すことはできない。

ならば必要なのは
意志力ではない。

設計だ。

次回、
「だから構造が必要になる」へ進む。

この話は「① 構造|前提|世界」カテゴリーにまとめてあります。

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