15歳の君へ。
朝、水面に立つ君をボートの上から見ている。
転んで、また立って、
少しずつ安定してきた背中。
父の滑りを見て、
何も言わなくても学んでいる姿。
母は、あそこでただ見ているだけに見えるかもしれない。
でもね、
今、こんなことを考えながらあなたを育てている。
早く成功してほしいとは思っていない。
焦ってほしくもない。
適齢期があると知っているから。
あなたの父が、待つことを教えてくれた。
私は昔、待てなかった。
でも今は違う。
あなたのペースでいいと思っている。
家は普通じゃない。
ボートで暮らしている。
友達の家とは違う。
それが不利に見える日もあるかもしれない。
でも母は知っている。
あなたが持っているのは、
濃い時間だ。
水の匂い。
エンジンの振動。
父の声。
弟の悔しそうな顔。
全部、資産になる。
私は滑れない。
脳出血の前から滑れなかった。
でも、それでいい。
家族は全員同じ競技に立つ必要はない。
私は、
あなたたちの成長を一番近くで見ている人だ。
それが私の役割だと思っている。
母が渡したいのは、
技術じゃない。
肩書きでもない。
前提だ。
焦らなくていい。
自分のタイミングでいい。
本気でやる人の背中を見ろ。
そして、
誰かをスゲエなと思える人でいろ。
それが強さだ。
今、母はこんなことを考えながら、
あなたを育てている。
このシリーズは⑤-家族・人間関係の前提にまとめてある。


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