思考の保管箱

差別

第2話|怒らなくなった=諦め、ではない

若い頃は、差別っぽいものに出会うたび、心のどこかがザワついていた。怒るほどでもない。でも、飲み込むのもしんどい。何よりつらかったのは、「どう反応するのが正解か分からない」その状態だった。差別に対して、よくある選択肢は二つ。・声を上げる・黙っ...
差別

第1話|悪意のある人は、確かにいる

差別の多くは、悪意のないものだと思っている。でも。それだけじゃない。悪意のある人も、確かにいる。たとえば、私の英語が分かっているはずなのに、分からないふりをし続けるスーパーの店員。何度も、はっきり話している。内容も難しくない。でも返ってくる...
差別

第0話|私はただのアジア人になった

海外にいると、「中国人?」「韓国人?」「ベトナム人?」と聞かれることがある。今の私は、それを聞かれてもどうとも感じない。ただ「ああ、そう見えるんだな」それだけ。でも、若い頃は違った。正直に言うと、若いときは「中国人?」と言われるのが嫌だった...
ワーホリ

嫌われる勇気より、詰まない選択

──アジア人くそばばあと思われても、生き残る方を選ぶオーストラリアで生活していると、ときどき必ず出くわす。「これ、1人で解決しないと詰むな」という場面。そのとき私が考えることは、たった一つ。相手が私のことをどう思うか。嫌われるか。感じ悪いか...
修羅場

第10話(最終話)|修羅場を生き延びた人は、もう十分やった

修羅場を振り返ると、人はつい「意味」を探したくなる。あの経験は何だったのか。何を学んだのか。成長できたのか。でも、最後にこれだけははっきり言いたい。修羅場は、意味づけしなくていい修羅場は成長物語にしなくていい。教訓も美談も感動的なまとめもい...
修羅場

第9話|修羅場を通った人は、もう元の場所には戻れない

修羅場を抜けたあと、ふと気づくことがある。「あれ?前と同じ感覚で生きられない」でもそれは、壊れたわけでも冷めたわけでもない。戻れないのは、劣化じゃない修羅場を通る前の自分は、いろんな前提を信じていた。・頑張れば何とかなる・ちゃんとすれば報わ...
修羅場

第8話|修羅場は、子育てだけのものじゃない

「修羅場」と聞くと、子育てを思い浮かべる人が多い。でも書き進めてきて、私ははっきり思った。修羅場は、子育てに限らない。人生には、何度か「逃げ場のない時期」が来る・離婚の渦中・子どもの重い病気・親の病気や介護・突然の喪失・生活が一気に崩れた時...
修羅場

第7話|修羅場を抜けたあとに来る「後遺症」

修羅場が終わったあと、不思議な感覚に襲われる人がいる。もう忙しさは落ち着いた。子どもも手が離れ始めた。時間も、少し戻ってきた。なのに——気持ちが戻ってこない。修羅場は終わっても、身体と脳はまだ戦っている修羅場の最中、人はずっと緊張状態にいる...
修羅場

第6話|修羅場の記憶が、ところどころ抜けている理由

修羅場の頃の話をすると、よくこう言われる。「その時、何考えてた?」「どうやって乗り切ったの?」正直に答えると、覚えていない部分が多い。記憶が曖昧なのは、異常じゃない修羅場を経験した人の多くが、同じことを感じている。・日々の記憶が飛んでいる・...
修羅場

第5話|修羅場で「助けて」と言えなかった理由

修羅場にいた頃を思い出すと、あとからこう思う人が多い。「なんで、もっと助けを求めなかったんだろう」「誰かに頼めばよかったのに」でも、あの時の自分を責める必要はない。修羅場では、「助けて」が言語化できない修羅場にいると、頭の中はこうなっている...