1 前提 構造 世界 Assumptions / Structure / World

子育て

第6話|「普通」を持たない子どもは、案外しなやかだ

「普通だったらさ」「みんなはさ」子どもが小さい頃、大人はよくこの言葉を使う。でも、うちの子たちは最初から「普通」を持っていない。アジア人ハーフで、ボートに住んでいて、暮らしも学校も、どこかいつもズレている。だからたぶん、「普通に当てはまろう...
子育て

第5話|うちの子たちは、どう立ち回っているんだろう

うちの子たちは、アジア人ハーフで、しかもボートに住んでいる。冷静に考えると、差別やいじめの対象としては、ネタにしやすい条件が全部そろっている。見た目。名前。家庭環境。生活スタイル。「普通」からは、確実に外れている。だから正直、私はずっと思っ...
子育て

第4話|慣れたんじゃない。選べるようになった

よく言われる。「慣れたんでしょ?」海外で長く暮らして、差別っぽいものに反応しなくなったと言うと、そう聞かれる。でも、違う。慣れたんじゃない。選べるようになっただけ。昔は、全部拾っていた。違和感も、雑な言葉も、微妙な態度も。拾って、考えて、飲...
子育て

第3話|たぶん浴びてる。でも、私のところまでは下りてこない

差別は、大人になってから出会うものだと思っていた時期があった。でも実際は、子どもの方が、ずっと早く出会う。名前。見た目。アクセント。国籍の決めつけ。海外で暮らしていれば、ゼロなはずがない。たぶん、うちの子もそういう言葉を浴びていると思う。た...
差別

第2話|怒らなくなった=諦め、ではない

若い頃は、差別っぽいものに出会うたび、心のどこかがザワついていた。怒るほどでもない。でも、飲み込むのもしんどい。何よりつらかったのは、「どう反応するのが正解か分からない」その状態だった。差別に対して、よくある選択肢は二つ。・声を上げる・黙っ...
差別

第1話|悪意のある人は、確かにいる

差別の多くは、悪意のないものだと思っている。でも。それだけじゃない。悪意のある人も、確かにいる。たとえば、私の英語が分かっているはずなのに、分からないふりをし続けるスーパーの店員。何度も、はっきり話している。内容も難しくない。でも返ってくる...
差別

第0話|私はただのアジア人になった

海外にいると、「中国人?」「韓国人?」「ベトナム人?」と聞かれることがある。今の私は、それを聞かれてもどうとも感じない。ただ「ああ、そう見えるんだな」それだけ。でも、若い頃は違った。正直に言うと、若いときは「中国人?」と言われるのが嫌だった...
ワーホリ

嫌われる勇気より、詰まない選択

──アジア人くそばばあと思われても、生き残る方を選ぶオーストラリアで生活していると、ときどき必ず出くわす。「これ、1人で解決しないと詰むな」という場面。そのとき私が考えることは、たった一つ。相手が私のことをどう思うか。嫌われるか。感じ悪いか...
修羅場

第10話(最終話)|修羅場を生き延びた人は、もう十分やった

修羅場を振り返ると、人はつい「意味」を探したくなる。あの経験は何だったのか。何を学んだのか。成長できたのか。でも、最後にこれだけははっきり言いたい。修羅場は、意味づけしなくていい修羅場は成長物語にしなくていい。教訓も美談も感動的なまとめもい...
修羅場

第9話|修羅場を通った人は、もう元の場所には戻れない

修羅場を抜けたあと、ふと気づくことがある。「あれ?前と同じ感覚で生きられない」でもそれは、壊れたわけでも冷めたわけでもない。戻れないのは、劣化じゃない修羅場を通る前の自分は、いろんな前提を信じていた。・頑張れば何とかなる・ちゃんとすれば報わ...