⑧ 社会・制度の前提 Society & System Assumptions

⑧ 社会・制度の前提 Society & System Assumptions

第4話|55歳という年齢の残酷さ

──守られない年齢に入った瞬間55歳。この数字は、日本社会では「まだ働ける年齢」でもあり、「もう育てない年齢」でもある。この矛盾が、一番残酷だ。日本の制度は、55歳を想定していない55歳は、年金には早すぎる生活保護は「最後の手段」扱い就労支...
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第3話|大学院卒が、なぜ武器にならなかったのか

──学歴が腐る国の話大学院卒。本来なら「高度人材」「専門職」「知的エリート」と扱われるはずの肩書きだ。それなのに、55歳・非正規・年収200万。なぜ、学歴は助けにならなかったのか。日本の学歴は「タイミング依存型」日本で学歴が効くのは、ほぼ新...
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第2話|なぜ、ここまで落ちるのか

──努力不足では説明できない構造年収200万、55歳、非正規。この状況を見ると、多くの人は無意識にこう考える。「どこかで選択を間違えたんじゃないか」「努力が足りなかったんじゃないか」でも、実際はもっと単純で、個人の問題として処理できない構造...
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第1話|年収200万という現実

55歳、日本人男性。独身。大学院卒。非正規雇用が長く、解雇を繰り返し、今は日給8,000円のアルバイト。年収は、200万円。ニュースでこの数字を見た瞬間、言葉が出なかった。「やばい」とか「きつい」とかそういう感想ですら、軽く感じた。年収20...
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日本人の知らない物批判

日本でよく見かける批判には、ある共通点がある。それは──相手をよく知らないということ。「それ大丈夫なの?」「普通じゃないよね」「聞いたことない」「将来どうするの?」これらは一見、心配や助言のように聞こえる。でも実際は、評価でも忠告でもない。...
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第5話|なぜ私は助かり、なぜ助からない人がいるのか

ここまでで、日本とオーストラリアの制度構造、そしてグレーゾーンの正体を見てきた。最後に残る問いは、これだ。同じ制度の中で、なぜ助かる人と、助からない人が分かれるのか。私は、脳出血のあとオーストラリアでCentrelinkに助けを求めた。結果...
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第4話|グレーゾーン

──壊れきっていない人が、一番落ちる理由貧困やホームレスの話になると、多くの人は「一部の特別な人」の問題だと思いたがる。重い精神疾患。深刻な依存症。完全な孤立。けれど、実際に制度から落ちる人の多くは、そこまで壊れていない。彼らはこういう状態...
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第3話|オーストラリアは「助けるが、待たない」国

オーストラリアの福祉制度は、よく「手厚い」と言われる。Centrelink、失業給付、障害給付、住宅支援。確かに制度は多く、入口も比較的開いている。助けは、早い。ただし、ここに落とし穴がある。オーストラリアの支援は、ほとんどが短期設計だ。緊...
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第2話|制度がある国で、なぜ人は詰むのか

日本の貧困は、なぜ見えないのか日本の貧困は、路上にあまり出てこない。テントも少ない。だから「そこまで深刻じゃない」と思われやすい。でも実態は違う。見えない場所で、止まっている。日本の福祉は「最後のセーフティネット」だ。生活保護がある。住居支...
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第1話|制度がある国で、なぜ人は詰むのか

日本で、母子家庭の母親が役所に助けを求めた。生活が回らない。子どもがいる。もう限界だと、正式に相談した。返ってきた言葉はこうだった。「まずは肉親を頼ってください」この一言で、その人は制度の外に出た。日本は「福祉国家」だと言われる。生活保護も...