AYA取り扱い説明書|第1話

― 初期設定:お気楽女、問題なく日本で生きる ―

25歳までの私は、
いたって普通に日本で生きていた。

生きづらさ?
感じたことない。

空気は読むし、
場のルールもすぐ覚えるし、
人間関係もわりと円滑。

学校も仕事も、
「まあこんなもんでしょ」
で普通に楽しかった。

いわゆる
お気楽女である。

だからよくある
「日本が合わなかった」
「息苦しかった」
みたいな話とは、たぶん違う。

**日本**は普通に居心地よかったし、
むしろ好きだった。

ただ、
今振り返ると一つだけ特徴がある。

私は
どこでもすぐ馴染む。

転勤しても、
新しい土地でも、
新しいコミュニティでも、
気づいたら「前からいましたけど?」
みたいな顔をしている。

これは才能というより
仕様

母と姉は、
当時から
「なんか違う」
って気づいてたらしいけど、

本人はいたって無自覚。

だって困ってないし。
楽しいし。

この時点の私は、
自分が
・どこに向いているのか
・どこに属する人間なのか

そんなこと、
一切考えていなかった。

考える必要もなかった。

この「問題なく回ってしまう初期設定」が、
のちに盛大なバグを起こすことになるとは、
このときの私はまだ知らない。

——26歳で、外に出るまでは。

(つづく)


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