第1話|制度がある国で、なぜ人は詰むのか

日本で、母子家庭の母親が役所に助けを求めた。
生活が回らない。
子どもがいる。
もう限界だと、正式に相談した。

返ってきた言葉はこうだった。

「まずは肉親を頼ってください」

この一言で、その人は制度の外に出た。


日本は「福祉国家」だと言われる。
生活保護もある。
支援制度も整っている。

それなのに、
助けを求めた人が、入口で止められる。

おかしくないか?


一方で、オーストラリアはどうか。

福祉は手厚い。
失業給付も障害給付もある。
制度の説明も合理的だ。

それなのに、
ホームレスは増えている。

これも、おかしくないか?


よくある説明はこうだ。

  • 日本は厳しすぎる
  • オーストラリアは自己責任社会
  • ホームレスは本人の問題

でも、それは全部ズレている。


本当の問題は、
「制度が想定している人間像」と
「現実に困っている人」のズレ
だ。

  • 家族がいる前提
  • すぐ立て直せる前提
  • 冷静に説明できる前提
  • 手続きをこなせる前提

この前提から少し外れただけで、
人は一気に“想定外”になる。


日本では、
家族がいる=まだ詰んでいない扱いになる。

オーストラリアでは、
短期で立て直せない人が、時間切れで切られる。

見え方は違う。
でも、落ちている場所は同じだ。


このシリーズでは、

  • 日本の母子家庭のケース
  • オーストラリアの短期支援の現実
  • 両国に共通する「家族前提」という思想
  • そして
  • なぜ私は助かり、なぜ助からない人がいるのか

これを、感情ではなく構造で解いていく。

制度が悪い、で終わらせない。
本人の努力不足、で片付けない。

「なぜ、ここで詰むのか」
その分岐点を、構造で見ていく。

次は、日本の話から入る。

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