外国から見た日本|第4話 同調圧力が作った信用社会

日本の文化を語るとき
よく出てくる言葉がある。

同調圧力。


日本では

みんなと同じ行動をする。

列に並ぶ。
電車で静かにする。
ゴミを持ち帰る。

こういう行動は
社会の中で自然に共有されている。


この文化は

よくネガティブに語られる。

個性がなくなる。
自由がなくなる。
息苦しい社会。


しかし別の見方もある。


同調圧力は

社会の秩序を作る力でもある。


列に並ぶ社会では
争いが起きにくい。

ルールを守る社会では
トラブルが少ない。


つまり

同調圧力は

信用社会を作る文化でもある。


日本は

世界でも珍しい
高い社会秩序を持つ国だ。


犯罪率は低い。
落とし物は戻る。
公共空間は比較的静か。


こうした行動は

社会の信用コストを下げている。

社会の摩擦が少ない。

だから社会は
比較的スムーズに回る。


しかし同調圧力には

もう一つの側面がある。


それは

金融行動にも影響すること。


日本では長い間

投資をしている人は
少数だった。


周りがやっていない。

だから
自分もやらない。


これは

同調圧力の金融版とも言える。


しかし最近

逆の現象が起きている。


NISAブーム。


SNSやYouTubeでは

投資の話が
毎日のように流れてくる。


若い世代の中には

NISAに
全振りする人も増えている。


もちろん

投資自体は
悪いことではない。

資産形成のためには
重要な手段だ。


しかし問題は

その動機だ。


周りがやっているから。
SNSで勧められているから。
将来不安だから。


生活防衛費もないのに
投資を始める。


これは

投資というより

同調圧力の金融版

かもしれない。


日本社会は

同調圧力で動く。


投資をしないのも
同調圧力。

NISAに全振りするのも
同調圧力。


つまり文化が

金融行動まで作る。


しかしここで
面白いことが起きる。


日本は

投資に積極的な国ではない。


それでも

日本は
世界の投資資金が参加する
大きな市場の一つだ。


社会秩序が高い国は

投資環境として
非常に安定している。


犯罪率が低い。
制度が安定している。
政治が比較的安定している。


こうした条件は

長期投資にとって
重要な要素になる。


つまり日本は

投資に消極的な国でありながら

投資環境としては非常に安定している国

でもある。


少し不思議な構造だ。


ではなぜ

この信用社会に

世界の投資家が
参加するのか。


次の記事では

信用がある国に資本は集まる

という
資本市場の原則を考えてみる。


このシリーズは
⑧ 社会・制度の前提にまとめていきます。

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