若い人がNISAに集中する現象には、
ある構造がある。
個人の問題というより、
社会全体の空気の問題だ。
まず最初にあるのが
老後不安。
日本では長い間、
年金制度が老後を支える前提だった。
しかし
- 少子高齢化
- 年金不安
- 老後2000万円問題
こうした話題が繰り返される中で、
「老後は自分でなんとかするしかない」という空気が広がった。
ここまでは理解できる。
問題はその次だ。
老後不安の次に出てくる答えが
投資。
テレビでも、
SNSでも、
YouTubeでも、
出てくる話はほぼ同じだ。
「NISA」
「積立」
「複利」
そして
「早く始めた方がいい」
このメッセージが繰り返される。
すると多くの若者の頭の中では
自然とこういう図が出来上がる。
老後が不安
↓
投資
↓
複利
↓
老後安心
一見すると
とても合理的に見える。
しかしここには
一つ抜けているものがある。
それは
収入。
投資は資産を増やす仕組みだ。
しかし投資は
ゼロからお金を生み出すものではない。
投資に回せるお金は
収入 − 生活費
この余剰から生まれる。
つまり本来の順番は
収入
↓
余剰
↓
投資
この順番になる。
ところが今の空気では
収入の話を飛ばして
いきなり投資の話になる。
ここに違和感がある。
若い人の最大の強みは
時間と行動力。
新しいことを試せる。
失敗してもやり直せる。
キャリアも変えられる。
これは投資にはない力だ。
しかし「投資が先」という空気の中では、
その強みがあまり語られない。
結果として
人生の設計より先に
投資の話が始まる。
もちろん投資は重要だ。
しかし
順番を間違えると、意味が変わる。
投資は人生を作るものではない。
人生の土台ができたあと
それを
加速させるもの。
若者が本当に考えるべきなのは
- どんなスキルを持つか
- どんな仕事をするか
- 収入をどう作るか
その上で
余剰資金が生まれたとき、
初めて投資が意味を持つ。
NISAは悪い制度ではない。
ただし
それはあくまで
道具。
武器ではない。
武器は
自分自身だ。
このシリーズは③-お金の前提にまとめていきます。


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