命金|最終回

命金は不安のためではない

世の中ではよく言われる。

生活防衛費は
3ヶ月。

6ヶ月。

そんな説明を
よく見る。

でも私は思う。

それは
少し違う。


命金は

節約でも
貯金でもない。

生存設計。


父は59歳で
くも膜下出血で亡くなった。

私は46歳で
脳出血で倒れた。

どちらも
前触れはなかった。


人生は

突然止まる。


そのとき必要なのは

安心でも
贅沢でもない。

時間。


体を治す時間。
人生を立て直す時間。

その時間を作るのが

命金。


母は命金で
人生を立て直した。

父が亡くなったあと
新潟で一人荷造りをして
函館へ戻った。

父が買ったマンションへ。

父はそこに
一日も住むことなく亡くなった。

そのマンションで
母は今も暮らしている。


そして24年後。

今度は私が倒れた。

脳出血。

2ヶ月意識なし。

世帯収入
8ヶ月停止。

それでも生活は
続いた。

命金があったから。


母は
普通に生きただけだと思っている。

でも私から見れば

大谷翔平。


母の生活思想は
父の死で証明された。

そして

私の脳出血で
もう一度証明された。


命金は

不安のためではない。


生き延びるため。

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