このシリーズを書きながら、
母の人生を改めて思い返していた。
長い転勤生活。
家計簿。
手作りの生活。
そして家族を守り続けた人生。
最近、叔母から聞いた話がある。
高校生の頃、
家族の生活が三つに分かれていた時期。
長崎。
筑波。
三島。
学費や生活費が重なり、
家計はかなり厳しかったらしい。
その頃、母の下着と寝間着は
ボロボロだったという。
私はまったく気づかなかった。
母はいつも、
上に着る服はきちんとしていたからだ。
品のいい服を着て、
何事もない顔で生活していた。
だから私は、
母がそんな生活をしていたなんて
想像もしていなかった。
その話を聞いたとき、
私は思わず泣いてしまった。
母は、自分の生活を削って、
私たちの生活を守っていた。
本当にすごい人だと思う。
だから私は、
心の中で母のことをこう呼んでいる。
「大谷翔平」
生活力。
忍耐力。
精神力。
全部が桁違いだからだ。
もちろん母は、
私がそんなふうに呼んでいることは知らない。
母は今、
普通にテレビで大谷翔平の試合を楽しそうに見ている。
その姿を見るたびに思う。
やっぱりこの人は、
すごい人生を生きてきた人なんだなと。


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