横並びから降りる|第4話 見栄という静かな支配


借金が前提になる前に

もう一つの前提がある。

見栄だ。


見栄というと

派手なブランドや
高級車を思い浮かべるかもしれない。

でも

もっと静かだ。


・みんな持っているから
・これくらいは普通だから
・子どもに恥をかかせたくないから
・周りと同じでいたいから

それは

“比べる心”から始まる。


比較

不安

消費

固定費

この流れは

とても自然だ。

だから気づきにくい。


私は

芋の働き方を

「不安定」と感じていた。

でも本当に怖かったのは

収入の形ではない。

周りと違うことだった。


横並びから外れると

評価が下がる気がする。

信用が落ちる気がする。

遅れている気がする。


その“気がする”が

見栄の正体だ。


見栄は悪ではない。

人は社会的な生き物だ。

評価を気にするのは自然だ。


問題は

見栄が

未来の固定費を決めること。


家も

車も

教育も

“少しだけ上”を選ぶ。

そしてそれが

毎月の支払いになる。


見栄は一瞬。

固定費は長期。


横並びから降りるとは

見栄をなくすことではない。

見栄で未来を決めないこと。


本当に欲しいのか。

本当に必要か。

それとも

安心を買っているだけか。


私はまだ揺れる。

比較もする。

不安にもなる。

でも

その感情が

固定費に変わる前に

一度止まる。


横並びの構造は

制度だけではない。

感情の中にもある。


見栄は

静かな支配だ。

でも

問いを持てば

止められる。


この話は「横並びから降りる」シリーズの中にまとめてあります。① 前提・構造・世界カテゴリーに整理しています。

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