命金|第1話 人生は突然止まる

③ お金の前提

人生は、止まる。

予告なしで。

私は脳出血で2ヶ月意識不明になった。

怖かったか?

知らない。

だって意識がなかったから。

目が覚めたら、世界が変わっていた。

身体は思うように動かない。
仕事は止まる。
収入は止まる。

でも、ひとつだけ止まらなかったものがある。

銀行口座の残高だ。

退院してしばらくして、
口座に約30000あったことに気づいた。

その瞬間、私は救われた。

これは「安心」じゃない。

余白だ。

焦って働かなくていい余白。
恐怖で間違った判断をしなくていい余白。
家族を守るための思考時間。

命金とは、
贅沢をするための金じゃない。

投資の種銭でもない。

生き延びるための装置だ。

人生は、
努力では防げない停止がある。

事故。
病気。
突然の失業。

その時、
あなたの思考を守るのは精神力じゃない。

現金だ。

冷たい話に聞こえるか?

でも現実は冷たい。

命金は思想じゃない。
哲学でもない。

構造だ。

私はたまたま生き延びた。

もし口座がゼロだったら?

退院直後に
無理して働いていたかもしれない。
判断を誤ったかもしれない。

命金は未来を豊かにするためのものじゃない。

まずは、
生存確率を上げるための設計だ。

投資より先に。
夢より先に。

命金。

ここからすべてが始まる。

このシリーズは③「お金の前提」カテゴリーにまとめています。

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