私は昔、見えていた。
風も、距離も、他船の動きも。
ボートの実務を任されていたからだ。
アンテナは常時オンだった。
脳出血後、私は決めた。
もうやらない。
子どもたちと芋に任せる。
その瞬間から、
私はアンテナを下ろした。
能力は「役割依存」
人はよく言う。
「衰えた」
でも本当にそうか?
脳は合理的だ。
使う回路は強くなる。
使わない回路は静かになる。
私は即応回路を使わなくなった。
だから見えなくなった。
それは劣化ではない。
役割移行。
責任と感度は比例する
責任を持っている領域は、
自然と感度が上がる。
・子どもの小さな変化
・お金の流れ
・文章の違和感
今の私はそこに敏感だ。
でも海の微差には鈍い。
当然だ。
担当外だから。
生存設計という視点
家族というチームは、
全員が全方向にアンテナを張る必要はない。
むしろ、
分担した方が強い。
外界担当。
構造担当。
実務担当。
長期設計担当。
役割が重なりすぎると摩擦が起きる。
手放すことは、弱さではない。
最適配置。
今日の前提
見えなくなったのではない。
見る場所を変えた。
アンテナを下ろす決断もまた、
生存設計の一部だ。
この話は⑩-生存設計の前提|ボート生活にまとめていきます。


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