第3話|国家は戦うが、人は老いる

(⑧-社会・制度の前提)

かつてマレーシアは
Japanese occupation of Malaya
の時代を通った。

彼女の母は若い頃、
日本軍に襲われないように
髪を剃っていたと聞いた。

それは歴史の話。
国家が動いた時代の話。


数十年後。

私は仕事として、
その女性を介護し、
娘とともに看取った。

そのとき彼女の母は

  • 話せない
  • 歩けない
  • 思考できない

状態だった。

日本人に介護されているという
認識すらなかった。


そこにあったのは、

老いとケア。


国家は戦う。
民族は対立する。
制度は線を引く。

でも、

最終局面で残るのは

呼吸と体温。


歴史は国家のもの。
看取りは個人のもの。

所属とは何か。

血か。
パスポートか。
忠誠か。

それとも、

最後にそばにいる人か。


国家は戦うが、人は老いる。

老いの前では、
国境は機能しない。

このシリーズは⑧-社会・制度の前提カテゴリーにまとめてます。

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