芋の時代、主役はウェイクボードではなかった。
ウォータースキーだ。
一本板で水を切る。
しかも芋は、裸足でもできる。
あれは簡単じゃない。
水面はコンクリートみたいな硬さになる。
スピードも出る。
身体がブレたら即転倒。
それをやる。
若い頃、プロを目指していた。
本気だった。
でも人生は競技だけじゃない。
仕事。
家族。
時間。
夢は止まった。
でも消えてはいない。
今も水面に立つと、身体が覚えている。
滑りは静かで、無駄がない。
息子たちがそれを見る。
言葉より先に、背中を見る。
これが継承だ。
押し付けない。
焦らない。
適齢期まで待つ。
自分はただ、楽しそうに滑る。
その姿が、一番強い。
未完の夢は失敗じゃない。
形を変えて、流れ続けているだけだ。
私は横で見ている。
そして思う。
スゲエな。


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