介護の地獄 第5話|人は、こういう順番で壊れていく

介護で人が壊れるとき、
それは突然じゃない。

劇的でもない。
分かりやすくもない。

決まった順番がある。


① まず、時間が壊れる

最初に削られるのは、
睡眠と休憩。

・夜中の呼び出し
・常時気が張った状態
・「何も起きてなくても休めない」

ここではまだ、
本人は壊れた自覚がない。

「ちょっと疲れてるだけ」
そう思っている。


② 次に、判断が壊れる

睡眠不足が続くと、
思考が鈍る。

・選択肢を減らす
・面倒な判断を先送りする
・現状維持を選び続ける

でもこれは怠慢じゃない。

脳が省エネモードに入っただけ

ここで
「施設の話」
「支援導入」
「分担の見直し」

こういう重要判断が
全部後回しになる。


③ その次に、感情が壊れる

怒りっぽくなる。
涙が出なくなる。
喜びが感じられなくなる。

でも本人は言う。

私は冷静
感情的になってない

違う。

感情が切断されているだけ

これは防衛反応。


④ 次に、人間関係が壊れる

・説明する気力がなくなる
・分かってもらえない前提になる
・相談を諦める

ここで
孤立が完成する。

「誰にも頼れない」じゃない。
「頼っても無駄だ」と思い込む。


⑤ 最後に、自己信頼が壊れる

これが一番致命的。

・自分の判断を信じられない
・でも他人にも任せられない
・だから、やめられない

この状態が続くと、
人はこう思い始める。

私が壊れるしかない

ここで、
狂気が静かに完成する。


このプロセス、
性格の問題じゃない。

根性でもない。

生理的な限界を超えた結果

だから
「もっと強ければ」
「気持ちの問題」

全部、間違い。


介護で壊れた人の多くは、
壊れた自覚がないまま
壊れている。

外から見れば
「ちゃんとやってる人」。

だから誰も止めない。


ここまで読んで
もし

「これ、私だ」

そう思ったなら、
もう十分サインは出ている。

壊れる前に必要なのは
頑張りじゃない。

構造を変えること


次の話では、
このプロセスのどこで
降りられたのか。

降りられなかった人と
何が違ったのか。

出口の話をする。


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