第4話|55歳という年齢の残酷さ

──守られない年齢に入った瞬間

55歳。
この数字は、日本社会では
「まだ働ける年齢」でもあり、
「もう育てない年齢」でもある。

この矛盾が、一番残酷だ。


日本の制度は、55歳を想定していない

55歳は、

  • 年金には早すぎる
  • 生活保護は「最後の手段」扱い
  • 就労支援は若年層中心

つまり、
どの制度にもきれいに当てはまらない。

働けと言われる。
でも、守る仕組みは薄い。


企業側から見た55歳

企業が55歳を見るとき、
判断軸は驚くほど単純だ。

  • 教育コストを回収できない
  • 体力・柔軟性が不安
  • 長く使えない
  • 若い人の方が安い

能力や人柄の前に、
年齢で足切りされる。

正社員はもちろん、
非正規ですら
「若い方がいい」が出てくる。


「経験」は、価値として換算されない

よく言われる言葉がある。

年を取れば、経験が武器になる

これは、
同じ会社・同じ業界に居続けた場合の話だ。

  • 非正規
  • 職歴が分断されている
  • 解雇歴がある

この条件が重なると、
経験は蓄積資産ではなく、説明コストになる。


独身男性が特に厳しい理由

55歳・独身。

  • 扶養家族がいない
  • 会社にとって「守る理由」がない
  • 社会保障も家族前提が多い

日本は、
「家庭を背負っている人」を基準に設計された社会

独身中高年男性は、
制度の想定外に置かれやすい。


55歳で露出するだけ

大事なのはここ。

この人が
55歳になって急に失敗したわけじゃない。

  • 40代では、まだ誤魔化せた
  • 50代前半では、何とか繋げた
  • 55歳で、隠せなくなった

積み重なっていた歪みが、
年齢によって表に出ただけ。


55歳は、
人生が終わる年齢ではない。

でも日本では、
人生を組み替えるには遅すぎる年齢
として扱われがちだ。

それが、
年収200万という数字に、
一気に姿を変える。


ここまでで見えてきたのは、

  • 第1話:数字
  • 第2話:構造
  • 第3話:学歴
  • 第4話:年齢

すべてが重なった結果としての、
「詰まり」。

次は、
この人が信じてきた
一番大きな前提に踏み込む。

「収入源は一つでいい」という嘘。

(つづく)


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