—— ボート暮らしで見た“理性の底”②
夜だった。
酔っ払った若い男が、
こちらのボートに乗り込もうとしてきた。
止めると、
男はうちの犬を指さして言った。
「それ、俺の犬だ」
意味がわからなかった。
完全に初対面。
会話の前提が、もう壊れている。
話が通じないという危険
酒に酔っている、
それだけじゃない。
・他人のボートに侵入しようとする
・犬を「自分の所有物」だと主張する
・引き下がらない
これは揉め事じゃない。
境界線が消えている状態。
海の上では、
ここが一番危ない。
説明しても無駄。
説得しても無意味。
優しさは、逆に距離を詰めさせる。
海では「線」を引けるかどうか
芋が即座に対応した。
蹴り飛ばして、物理的に距離を作った。
これは乱暴な話じゃない。
不法侵入に対する、最短で安全な処理。
海では、
「話し合い」より
「距離を取る」が最優先。
一歩でも中に入れたら、
次は船内、
次は人間、
次は取り返しがつかない。
理性が壊れる瞬間は静かだ
この男、
刃物を持っていたわけでも
怒鳴っていたわけでもない。
ただ、
当然の顔で
他人の犬を
「俺の犬だ」と言った。
理性の底は、
叫ばない。
静かに、当たり前の顔で出てくる。
だから余計に怖い。
海に残るのは、どんな人か
この出来事で改めて思った。
海で生き残るのは、
話が通じる人じゃない。
線を越えさせない人だ。
・違和感を感じたら即止める
・感情より距離を優先する
・相手の事情を想像しすぎない
それが冷たい?
違う。
それが生き残るやり方。
このシリーズでは、
こういう話を、
飾らずに書いていく。
美談にもしないし、
誰かを悪者にも仕立てない。
ただ、
海の上で見た
理性の底を、そのまま置く。
#ボート暮らし
#理性の底
#海の上の現実
#正気の人は海に住めない
#幻想を壊す
※この話は**「ボート暮らし」カテゴリー**にまとめてあります。


コメント