1-7.5|救急車の中で、私が最後に言った言葉

救急車の中で、
私が最後に言った言葉を、
あとからカイトに教えてもらった。

「everything’s gonna be okay」

自分では覚えていない。
その瞬間の記憶は、ない。

でも、
その言葉だけは
カイトの中に残っていた。

その夜、
家族みんなで泣いたらしい。

一番しんどいはずの私が、
一番先に
子どもを安心させる言葉を
口にしていたこと。

強がりでも、
希望的観測でもない。

ただ、
母親の反射だったんだと思う。

自分がどうなるかより先に、
子どもの世界を
「大丈夫」に戻す。

あの瞬間、
私はたぶん
生きるとか死ぬとかじゃなくて、
守るを選んでいた。

この話を聞いて、
私も泣いた。

でもそれは、
悲しさだけじゃない。

ちゃんと
渡せていたんだっていう、
確認の涙だった。

この話は「脳出血」カテゴリーにまとめてあります。

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