夢が高すぎるんじゃない。給料が低すぎる|六話目

― 国家プロジェクトでも、給料が上がらない理由 ―

「国が本気でやる」
「国家プロジェクト」
「未来産業」

こう聞くと、
どこか希望があるように見える。

でも現実は、
国家プロジェクトでも、給料は上がらない。

なぜか。


理由はシンプルだ。

国家プロジェクトは、
賃金を上げるための仕組みではない。

目的は
・産業を残す
・技術を絶やさない
・雇用を維持する
・安全保障を確保する

つまり、
平均を守る設計

突出を報いる設計ではない。


国費が入ると、
何が起きるか。

・給与テーブルは横並び
・急激な差はつけられない
・説明責任が増える
・前例が重くなる

結果、
「頑張った人に多く払う」より
「誰も不満を持たない範囲」に寄る

これは悪意ではない。
制度の性質だ。


よく誤解されるけれど、
「国が関わる=給料が高い」
ではない。

むしろ逆で、
派手に上げられない

理由は簡単。
税金だから。


だから国家プロジェクトは、
・安定はある
・職は守られる
・長期計画は立てやすい

でも、
・爆発力はない
・若さは評価されにくい
・交渉余地は小さい

夢を見て飛び込む場所ではなく、
耐久性を重視する場所だ。


ここで多くの人が、
こう思う。

「じゃあ、
誰かが政治で変えないと無理じゃない?」

その感覚は、正しい。

30年動かなかった仕組みは、
企業努力だけでは動かない。

ただし、
痛みなくしては動かない


このあたりで、
世代の前提が分かれる。

・今を揺らしたくない人
・一度壊してでも進みたい人

どちらも合理的だ。

でも少なくとも、
「何も変えずに給料だけ上げる」
という選択肢は、もう残っていない。


国家プロジェクトに夢がないのではない。
役割が違うだけだ。

夢を伸ばす場所ではなく、
基盤を守る場所。

そこを取り違えると、
期待と現実がズレる。


次は、
外国人技術者の“特別枠”ですら
天井が低い理由

その話をする。

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※この話は「日本の前提」カテゴリにまとめてあります

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