第3話|大学院卒が、なぜ武器にならなかったのか

──学歴が腐る国の話

大学院卒。
本来なら「高度人材」「専門職」「知的エリート」と
扱われるはずの肩書きだ。

それなのに、
55歳・非正規・年収200万。

なぜ、学歴は助けにならなかったのか。


日本の学歴は「タイミング依存型」

日本で学歴が効くのは、
ほぼ新卒〜30代前半まで

  • 新卒カード
  • 初期配属
  • 企業内育成

このフェーズを外れると、
学歴は急速に力を失う。

40代以降になると、
企業が見るのはこれだけ。

  • 何をやってきたか
  • 今すぐ何ができるか
  • どれだけ安く使えるか

学歴は、
説明資料にすらならない


大学院卒は「扱いにくい」と見られやすい

現場側の本音は、だいたいこれ。

  • 頭は良さそう
  • でも現場慣れしてなさそう
  • プライド高そう
  • 指示通り動かなさそう

特に非正規・アルバイト市場では、
高学歴はリスク要因として見られる。

能力ではなく、
「面倒くささ」で敬遠される。


専門が“市場と接続していなかった”可能性

大学院で積んだ知が、

  • 研究職向け
  • 学術寄り
  • 実務と断絶していた

この場合、
企業はこう判断する。

今さら教育する意味がない

日本は
専門を社会に再接続する仕組みが極端に弱い

一度外れた知は、
戻る場所がない。


学歴は「保険」ではなかった

多くの人が、
こう信じてきた。

  • 学歴があれば潰れない
  • 最悪でも仕事はある
  • 知的労働は年齢に左右されない

でも実際は違った。

日本の学歴は、
会社に所属している間だけ有効な通行証

会社を失った瞬間、
効力も一緒に消える。


一番残酷なのはここ

この人は、
「間違った努力」をしていたわけじゃない。

むしろ、
社会が正解だと言っていた道
真面目に歩いてきただけだ。

それなのに、

  • 学歴は守ってくれず
  • 専門は換金できず
  • 年齢で弾かれる

結果だけが、
55歳で一気に露出した。


第1話で見たのは「数字」。
第2話で見たのは「構造」。
第3話で見えたのは、
学歴という前提の崩壊

次は、
この全てにトドメを刺す要素。

「55歳」という年齢そのものについて書く。

(つづく)


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