第3話|プログラマー/ウェブデザイナーという沈黙装置

ラップトップを手に入れて、
怒鳴り合いは止まった。

でも、
それだけじゃ足りなかった。

静かにはなったけど、
緊張はまだ残っていた。

私は分かっていた。

これはまだ
「誤解が減った」だけ。
完全には終わっていない。


次に必要だったのは「説明しなくていい状態」

私はもう、
説明したくなかった。

  • 何を考えてるか
  • 何を書いてるか
  • どこに向かってるか

これ以上、
一つ一つ翻訳する気力がなかった。

説明は、
エネルギーを使う。

しかも、
前提が違う相手には
ほぼ届かない。

そこで必要だったのが、
説明そのものを発生させない仕組み。


職業名は「理解のため」じゃない

ある時、
何気なく聞かれた。

「それ、仕事なの?」

私は一瞬だけ考えて、
こう答えた。

「プログラマーと、ウェブデザイナー。」

芋、黙る。

深掘りしてこない。
説明を求めてこない。

なぜなら、

  • 聞いたことはある
  • でも中身は分からない

つまり
質問しづらい。

ここで私は確信した。

職業名は、
理解のためにあるんじゃない。

沈黙を生むためにある。


あながち嘘でもない、という最強の状態

しかも笑えることに、
この肩書き、
完全な嘘じゃない。

私は実際に、

  • 前提を考え
  • 構造を組み
  • 言葉を配置し
  • 全体を設計している

やってることは、
ほぼフルスタック。

だから罪悪感もない。

むしろ
一番近い翻訳だ。


「AI girl」と呼ばれるようになった日

それ以降、
私はこう呼ばれるようになった。

「AI girl」

ラップトップに向かっていると
話しかけられない。

黙っていても
「処理中」で通る。

夜中でも
「仕様」で終わる。

家庭内では、
完全に別カテゴリの生物になった。

そしてそれは、
とても平和だった。


分かり合わない、という選択

ここで私は、
はっきり決めた。

分かり合わない。
無理に近づかない。
でも、壊れない。

そのために使ったのが、

  • ラップトップ
  • 肩書き
  • 翻訳

感情じゃない。
設計だ。


でも、ここで終わらなかった

この時点で
家庭内はかなり安定した。

……が、
ここに爆弾を投げ込むことになる。

私の投資開始。

この瞬間、
芋の前提は
別のスイッチを入れる。

次は
誤解でも、沈黙でもない。

恐怖の話になる。


次回予告

第4話|投資を始めた瞬間、理解は完全に不可能になった

芋の前提は、
「信用できない」
「騙されている」
以上。


※この話は「⑤ 家族・人間関係の前提」にまとめています。

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