オーストラリアの福祉制度は、よく「手厚い」と言われる。
Centrelink、失業給付、障害給付、住宅支援。
確かに制度は多く、入口も比較的開いている。
助けは、早い。
ただし、ここに落とし穴がある。
オーストラリアの支援は、ほとんどが短期設計だ。
- 緊急宿泊:数日〜数週間
- 一時住宅:数か月
- 給付:条件付き・期限付き
前提にあるのは、これだ。
「人は、短期間で立て直せる」
制度はこう想定している。
- まず命をつなぐ
- すぐに安定させる
- 仕事に戻る
- 家を確保する
この流れに乗れる人にとっては、
オーストラリアの制度は機能する。
問題は、ここから外れた人たちだ。
- 回復途中で時間がかかる
- メンタルが不安定
- DVやトラウマを抱えている
- 子どもがいて動きが取れない
こういう人たちは、
「助けは受けたが、間に合わなかった」状態になる。
オーストラリアでは、
「家族を頼れ」とは言われない。
だが、制度は家族や知人が最終的に受け止める前提で作られている。
- 支援が終わった後
- 家が見つからない時
- 仕事が安定しない時
誰かのソファ、
誰かの空き部屋、
誰かの助け。
それがある前提だ。
この前提が外れると、どうなるか。
- 車上生活
- テント生活
- 路上生活
落ちるスピードが速い。
日本のように「静かに止まる」時間がない。
だからオーストラリアのホームレスは、
- 流動的
- 若い
- 女性が多い
- 家族連れもいる
数年前まで
「普通に暮らしていた人」が多い。
オーストラリアは、
人を突っぱねる国ではない。
ただ、
待たない国だ。
回復が遅い人、
事情を説明しきれない人、
立て直しに時間が必要な人は、
時間切れで落ちる。
日本は、人生を止めたまま人を残す。
オーストラリアは、時間を進めたまま人を切る。
どちらが正しい、ではない。
問題は、
そのどちらにも当てはまらない人がいることだ。
次は、その人たちの話をする。
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