──努力不足では説明できない構造
年収200万、55歳、非正規。
この状況を見ると、
多くの人は無意識にこう考える。
「どこかで選択を間違えたんじゃないか」
「努力が足りなかったんじゃないか」
でも、実際はもっと単純で、
個人の問題として処理できない構造がある。
日本の雇用は「やり直し」を想定していない
日本の雇用システムは、
最初からこう設計されている。
- 新卒一括採用
- 年功序列
- 終身雇用(だったもの)
つまり、
最初に乗ったレールを外れない前提。
一度でも外れると、
「戻るルート」がほぼ用意されていない。
非正規は「一時的」のはずだった
本来、非正規雇用は
- 若年層のつなぎ
- 主婦の補助労働
- 学生のアルバイト
という想定だった。
ところが現実は、
非正規のまま年を取り、
出口のない状態で固定化される人が増えた。
そして40代、50代になると、
- 正規には年齢で弾かれ
- 非正規は賃金が上がらず
- 解雇されやすくなる
静かに、選択肢が消えていく。
解雇歴は「能力」より重く見られる
日本の採用では、
スキルよりも
**経歴の“きれいさ”**が重視される。
- 解雇された
- 職歴が途切れている
- 転職回数が多い
この時点で、
理由を聞く前に落とされる。
本人が説明する機会すら、
与えられないことも多い。
55歳という年齢が、決定打になる
55歳は、
- 体力は落ち始める
- 教育コストをかけたくない
- 長く使えない
という理由で、
企業側からは真っ先に外される年齢。
しかも日本には、
「中高年を再設計する制度」がほぼない。
若者向け支援はある。
障害者向け支援もある。
子育て世代向け支援もある。
55歳・独身・非正規男性は、
どこにも当てはまらない。
これは「落ちた」のではなく「落とされた」
重要なのはここ。
この人は、
突然転落したわけじゃない。
- 少しずつ
- 静かに
- 誰にも気づかれないまま
レールが削られていっただけ。
そして55歳になった時、
「もう無いですよ」と
初めて現実を突きつけられる。
これは特別なケースじゃない。
この構造の上を歩いている人は、
今も大量にいる。
まだ表に出ていないだけだ。
第1話で示したのは「数字」。
第2話で見えてきたのは、
その数字が生まれる仕組み。
次は、
「じゃあ、大学院卒はなぜ助けにならなかったのか」。
学歴神話が、
一番残酷に裏切られる話に入る。
(つづく)
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