第1話|なぜ人は「理解できない」と拒絶するのか

「わからない」が出た瞬間、
人は一瞬、固まる。

そのあとに起きるのはだいたい三択だ。

・否定する
・茶化す
・遠ざける

なぜか。

脳は“予測装置”だからだ。


■ 脳は常に未来を予測している

人間の脳は、外界をそのまま見ているわけではない。

過去の経験から
「たぶんこうだろう」という予測モデルを作り、
そこに現実を当てはめている。

つまり私たちは

世界を見ているのではなく、
予測との差分を見ている。

予測と一致すれば安心。
予測から外れればエラー。

この“エラー感”が不快になる。


■ 理解不能=危険信号

進化的に考えれば当然だ。

理解できない音。
理解できない動き。
理解できない行動。

それはかつて、

捕食者や未知の脅威と同義だった。

だから脳はこう判断する。

理解できないものは、危険かもしれない。

ここで重要なのは、
本当に危険かどうかは関係ないということだ。

“理解できない”だけで
警報が鳴る。


■ 安定志向の安心構造

私たちはよく言う。

「普通がいい」
「常識の範囲で」
「みんなと同じでいい」

これは臆病だからではない。

予測可能な世界が安心だからだ。

予測できる=コントロールできる
コントロールできる=安全

この構造がある。

だから

・相対性理論
・量子力学
・異文化
・新しい働き方
・前例のない挑戦

こういうものに対して、
一部の人は強い拒絶を示す。

理解できないからだ。


■ でも、ここで分岐が起きる

理解できないものを

・「排除」する人
・「分解」したくなる人

がいる。

この違いは能力ではない。

前提の違いだ。

理解不能を
危険と見るか、
拡張と見るか。

このシリーズはそこを掘る。


理解できない世界は
恐怖なのか。

それとも、

まだ触れたことのない拡張なのか。

次回、
時間が絶対だという前提が壊れた瞬間の話をする。

この話は「思考の前提」カテゴリーにまとめてあります。

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