オーストラリア20年。
英語の発音?
正直、もうどうでもいい。
通じてるし、
生活回ってるし、
銀行も医者も弁護士も突破してきた。
ネイティブっぽさなんて、もう追ってない。
…はずだった。
ある日、電話が鳴る。
非通知。
出る。
「Hello, this is Centrelink…」
終わった。
Services Australia – Centrelink。
しかも折り返せない設定。
かけ直せない。
逃げられない。
今この瞬間に理解しなきゃいけない。
そして聞こえてきたのは、
インド英語。
脳が固まる。
これは差別の話じゃない。
でも正直に言う。
あの瞬間、心拍数が跳ね上がる。
給付。
収入申告。
子ども。
期限。
減額。
全部、生活直結。
なのに聞き取れない。
1回。
2回。
3回。
「Sorry?」
「Could you repeat that?」
「I’m really sorry, I didn’t catch that。」
10回以上いったこともある。
非通知だから、切ったら終わり。
地獄。
発音どうでもいいと言ってたくせに、
生活がかかる瞬間、
私は“完璧な理解”を求めている。
ここが今日の前提。
英語は通じればいい。
でも——
リスクが絡む場面では
「なんとなく通じた」では足りない。
英語力の問題じゃない。
安心の問題。
それでも私は聞き返した。
みっともなくても。
しつこくても。
理解するまで。
20年目の移民は、スマートじゃない。
でも粘る。
発音どうでもよくなったのは、
ここで生きていける側になった証拠。
それでも、
非通知のCentrelink電話で
一瞬で初心者に戻る自分もいる。
それが英語の前提。
強さと弱さは同居する。
そしてたぶん私は、
また聞き返す。
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