日本のブルーカラーの仕事の地位と賃金の疑問【2.75話】

──オーストラリア介護は、なぜ「NDISだけ」稼げるのか。

ここで、もう一段深い話をする。

オーストラリアの介護職は稼げる。
──ただし、NDISに限る

AGED CAREは、もう別物。
というか、構造的に無理

これは能力の差でも、努力の差でもない。
制度設計の差だ。


NDISは「個人事業主」が成立する

NDIS(障害ケア)では、

・個人事業主として働ける
・クライアントと直接契約
・料金交渉が可能(上限はある)
・サービス内容で差別化できる
・合わなければ断れる

つまり、
価格決定権が現場側にある。

ここが、決定的。

だから、

・時給が成立する
・稼働時間を絞っても成り立つ
・体力・メンタルと収入を調整できる

👉 設計すれば、普通に稼げる。


なぜNDISだけ、これが可能なのか

理由はシンプル。

NDISは
**「人にお金をつける制度」**だから。

施設にお金を出すのではなく、
利用者本人に予算を渡す

するとどうなるか。

・利用者が選ぶ
・ケアワーカーは選ばれる側
・だから競争が起きる
・だから交渉力が生まれる

これは
市場としてかなり健全。


AGED CAREが「もう無理」な理由

一方、AGED CARE(高齢者ケア)。

・施設中心
・組織が元請け
・価格は国がガチガチ
・個人の裁量ほぼゼロ

結果、

・賃金は上がらない
・人は足りない
・責任と書類だけ増える

最近は特に、

👉 良心がある人ほど消耗する構造

もう
個人が主導権を持てるフィールドじゃない。


ここ、比較すると一発で分かる

項目NDISAGED CARE
契約個人と直接施設・組織
価格交渉
個人事業主ほぼ不可
主導権ケアワーカー組織
将来性高い低い

この差は、
**制度が「誰を守る設計か」**の差。


日本の介護と、完全に重なる

日本の介護も、

・施設が元請け
・単価固定
・裁量なし
・献身前提

だから、

人が足りないのに、給料が上がらない。

NDIS型の発想がない限り、
日本も同じルートを辿る。


2.75話の結論

オーストラリアの介護職が
「稼げる」と言われる理由は、

努力でも、優しさでもない。

NDISという設計が、
個人に主導権を渡しているから。

AGED CAREが詰んだのは、
人の問題じゃない。

制度の問題。


#介護の現実
#NDIS
#オーストラリア生活
#個人事業主
#前提の外に出る

この話は「前提」カテゴリにまとめてあります。

コメント