囲わなかった発明 〜原昌宏という設計〜

最近、オーストラリアでもQRコードをよく見る。

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そして今では──

大手スーパーマーケットでも普通に使われている。

少し前まで、ただのバーコードだったのに。

あの「ピッ」という一本線の世界から、
いつの間にか四角いモザイクが日常になった。

そのQRコードを発明したのが
原昌宏 氏。

1994年、
トヨタグループの技術会社
デンソーウェーブ で開発された。

目的は、工場の効率化。

自動車部品を
より早く、より正確に管理するため。

スマホもない時代に、
未来のインフラを設計していた。


技術としての完成度

QRコードはただの模様ではない。

・360度どこからでも読み取れる
・大量のデータを格納できる
・汚れても読める誤り訂正機能

1994年にこれを作っている。

でも、本当に凄いのはここじゃない。


特許を持ちながら、囲わなかった

デンソーウェーブは特許を取得している。

それでも
使用料を請求しなかった。

誰でも自由に使えるようにした。

もし囲っていたら、
ここまで世界に広がっていない。

今オーストラリアのスーパーで
普通に使われているのは、
その判断があったから。


標準になるということ

技術は、囲えば守れる。

でも、解放すれば広がる。

広がれば、標準になる。

標準になれば、
もう誰のものでもなくなる。

原昌宏さんは
「自分のもの」にしなかった。

だからこそ
世界のものになった。


日本ではずっと前から当たり前。

でも今、
オーストラリアのスーパーで
普通に読み取られている。

それを思うと、
静かにすごいなと思う。

派手じゃない。
でも確実に世界を変えた。

こういう設計に、私は敬意を払いたい。

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